大沢たかお祭りはなぜ終わった?著作権問題とオフ会騒動~終わりまでの流れ~

2025年春、スレッズを中心に突如として巻き起こった大沢たかお祭り。
SNSでは連日「#大沢たかお祭り」というハッシュタグがトレンドに上がり、ヤフーニュースでも取り上げられるほどの盛り上がりを見せていました。
しかし、その祭りは2025年5月11日に突如、終焉を迎えます。
今回は、これほど盛り上がった大沢たかお祭りがなぜ終わったのか、を深掘りしていきます。
大沢たかお祭りって何だった?
大沢たかお祭りとは、2025年3月下旬頃から、SNSプラットフォームスレッズで自然発生的に始まったムーブメントです。
映画『キングダム』で大沢たかおさんが演じた王騎将軍の画像を使い、家事や育児の日常の「あるある」を重ねて投稿するシンプルなものでした。
- こどものレゴを踏んだ時の痛みと怒りを鎮めてるときの私。
- さっきまで騒ぎ散らかしてた子供達が突然静かになって嫌な予感がしているわたし。
- 就寝前、部屋を暗くした後に子供から「ママ、お水飲みたい」と言われた時の私。
など。
「○○しているときの私」がテンプレートで投稿されていました。
大沢たかおさんの表情が、子育てあるあるに絶妙にマッチしていて、特に子育て世代や主婦層を中心に共感を呼び、「あるある!」「私にもこんな場面がある」と一気に広がっていきました。

火事や育児、仕事の“あるあるネタ”と王騎の表情絶妙にマッチするため、投稿を見る側も「わかる…!」とつい笑ってしまうこともしばしば。
そして、同じように戦っている同志がいると思え、疲れていても元気が出たんですよね。
大沢たかお祭りはなぜ終わった?
スレッズで静かに始まった大沢たかお祭りでしたが、徐々に盛り上がりを見せ、Xにも飛び火。
お笑い芸人のキンタロー。さんも得意のモノマネで参加し、ヤフーニュースのトップに取り上げられるまでになりました。

盛り上がるにつれて、ある問題に焦点が当てられます。
著作権問題
「みんなどこから画像とってくるの?」という投稿もありましたが、おそらく大半が映画のキャプチャ画像かスクリーンショット。
大沢さん本人は楽しんでいる様子でしたが、映画の著作権者(製作会社や配給元)が正式な許可を出していない限り、法的リスクが伴うと専門家が警告する事態に発展しました。
ヤフーニュース等で有識者から著作権侵害にあたる可能性があると指摘され始めたあたりから、SNSでも「著作権的にダメじゃない?」という声が多く上がるようになったんですよね。
リスペクトを失った投稿が多発
はじめの頃は、王騎将軍にリスペクトが込められ、ウィットにとんだ思わず笑ってしまうあるあるネタが多かったのですが、大沢たかお祭りというものが世間的に認知し始めると、ネタの質が低下。
画像に合わせた風にすればなんでもありな感じになってしまい、下品なセリフや過激な表現が目立つようになりました。
はじめの頃の投稿は、秀逸なものが多くて、クスっと笑って、育児や家事の疲れを吹き飛ばす、明日への活力になるようなものだったんですよね。
終焉のきっかけはオフ会騒動
著作権的なことを考えば、限りなく黒に近いグレーであった大沢たかお祭り。
流れが変わったのは、大沢たかお祭りのオフ会で顔はめパネルを作るので、画像を使用してよいか映画の配給元である東宝に問い合わせをしたと投稿した人が現れたこと。
初期のことから大沢たかお祭りを楽しんでいたスレッズ民は、
「公式に連絡はないわ」
「公式は黙認しているんだから…」
とやり場のない憤りを感じているようでした。
黙認、“公認はしていないけれど…”という暗黙の了解で成り立っていたムーブメントも、正式に問い合わせされたら、公式としてはダメと言わざるを得ないですよね。
母の日に終焉
そして、2025年5月11日。
第三者が大沢たかおさんの事務所(株式会社コアインターナショナル)からの通知として、『著作権保護法に関する記載』を投稿。
【お知らせ】ホームページ上の文書・画像・映像等コンテンツ及び大沢たかおの肖像・画像・ロゴの著作権は、株式会社コアインターナショナルに帰属します。⁰営利・非営利の目的にかかわらず掲載されている全ての画像・文章の無断転載・引用を禁止します。何卒宜しくお願い致します。TeamTO
— 大沢たかお_official (@Takao_Osawa_) March 15, 2012
これが多くの人の目に触れ、良識のある人々が祭りを離脱。
投稿を自粛、これまでの削除し、祭りの解散を宣言する流れとなりました。
まとめ
大沢たかお祭りは、無断転載など著作権の問題が指摘され、オフ会騒動をきっかけに公式からNOが出て、終焉を迎えました。
XやスレッズといったSNS発信の“二次創作の祭り”は、そこに集う同志とわっと盛り上がる楽しさがある反面、著作権侵害が付きまとうデリケートな祭りでもあります。
次に流行するものに対しては、一次創作へのリスペクトを忘れずに、節度を保ちながら楽しみたいですね。